老人ホームに入居している方の心のケアの一環として、動物介在活動を始めました。普段、なかなか部屋から出てこない方も、犬がくる日は部屋から出て、にこにこの笑顔です。犬が持つ癒しの力、犬を介して生まれる一体感などを実感し、動物活動に取り組む決意を固めました。
こどもたちと犬の触れ合い活動も始めました。初めて触れる生き物に子供たちも興味津々です。柔らかいぬくもりを通じて、命の存在や大切さ、周りの生き物を慈しむ心など育みます。
順洋会では、犬のいる生活が人間の心と体の健康につながるのではないかと、2013年から研究を続けてまいりました。
人生100年時代、50歳でやっと折り返し地点、70歳でもあと30年の人生があります。
私たちは、どのようにしたら自分らしく心の色彩豊かな生活を送れるか、すなわち、健康寿命の延伸を真剣に考えなければなりません。
心も体も健康でいるためには、適度な運動が必要です。
しかし、定年を迎えたり、子育てがひと段落したりすると、社会とのつながりが少しずつ希薄になり、なんとなく家に引きこもりがちになってしまうものです。
第二の人生、愛犬をパートナーに迎える人も多いです。
可愛いわが子(愛犬)を迎え入れると、コミュニティが広がり、一緒に散歩をする習慣もでき(1日に2回も!)、心と体の健康につながるように思います。
一方で、殺処分の問題など、今の日本で犬をめぐる環境が決して良いとは言えないのも事実です。
「犬も幸せ、人も幸せ」
私たちは、本当の共生社会を創っていくために、様々な活動を通じて、犬と人間がお互いに理解しながら、支え合う仕組みを作りたいと考えています。
医療法人社団順洋会 常務理事
下村 節子