ぴーちゃん通信

2019/4/16 新入職員特別報

昨年、新卒として入職した先輩方に、
【あなたが体験した「すぐそばに。すぐそばに。ずっとともに。」】
を書いていただきました。
この一年間で大きく成長し様々なことを経験したことが分かる体験談となっています。
どれも素敵な経験ばかりですので、ぜひ皆さんにも共有したく、
番外編として抜粋したものをお届けさせていただきます。 

◇     ◇     ◇ 

私が「すぐそばに。ずっとともに」を感じたのは訪問診療で診ていた患者様が
お看取りになった時である。
私は、在宅診療部に救急救命士として所属している。昨年の今頃は
「在宅診療」も「救急救命士」もいまいちよく分かっていなかった。
今となっては夜間に救急救命士として出動することもあり、患者様の名前を
聞いただけでも疾患や家族構成まで分かるようになってきた。
約一年間、在宅診療部で働いていく中で、看取りの場には数えきれないほど立ち合った。
その数多く看取りを経験し看取りにもたくさんの種類があると感じた。
限界まで延命をし迎える看取り、家族が限界で亡くなるのを待つ看取り、さまざまである。
そんななかで、「すぐそばに。ずっとともに」を感じたのはずっと診てきた患者様が、
亡くなられた時に求められたサービスをすることで、
「すぐそばに。ずっとともに」を実現出来ると。
何か問題が起きた際にはすぐにかけつけ、安心していただく。それは患者様だけでなく、
家族にも寄り添い、延命だけが医療ではないと感じた。
救急救命士として学んできて、救命ということを強く考えていたが、今、
求められていることはそれだけではないと。
今後も在宅診療部で救急救命士として患者様、家族の求める医療サービスを提供し、
すぐそばに。ずっとともに寄り添っていきたい。
そして患者様も家族も安心して過ごすことができれば、
コンセプトにあったサービスになると思う。 

◇     ◇     ◇ 

私は入職したてのころ、自分に病院で活かせる専門的な資格がないことから、
同期の中で浮いた存在だと感じていました。そんな私は、自分にだけできること、自分の強みを見出し、
それを伸ばすことによって、在宅診療部の一員として一年を過ごす事ができました。
在宅診療部とは、外来に通院することが難しくなった人や、自宅で最期を迎えたいといった人たちが
利用するサービスですが、本当に様々な家族・家庭があると学びました。
人生の最期に立ち会えるこの仕事はとても大事な仕事であり、
その現場には、怒りや悲しみ、驚きがたくさんありました。
苦しそうにしている患者様を診ていて、耐えきれずに、医師や施設職員に
八つ当たりをするご家族様、死後数か月たっても母の死を忘れられず、
何度も病院に足を運び母の死因を確認に来るご家族様、亡くなる前日まで笑顔で見送ってくれた患者様、
あまり意識しませんが、この仕事はいつも死の影が隠れている仕事だと感じました。
そんな患者様のすぐそばに。本人のリビングウイルを尊重した医療の提供を心掛ける、
インフォームドコンセントをはじめ、緊急時にどうするのか、
下村医師も自分の状態が良いときに終末期の話をしても考えにくいとお話されていました。
そこで自分の最期をどのように迎えたいのか、本人の意思を確認し、大木に寄り添うように、
最期まで、ずっとともに。をこれからも届けていきたいです。 

◇     ◇     ◇ 

入職する前は「すぐそばに。ずっとともに。」を実際に体験することは
あまりなかった様な気がします。
ですがこの職場に入職し、患者様を通して色々な声をきかせて頂くことで
「すぐそばに。ずっとともに。」を実感できたように思います。
私は医療関係の仕事に就くことに最初は不安もありました。
親身になって話を聞き、その患者様がどうしたら安心して帰れるかを考え、行動したとき、
帰り際に、患者様から「話きいてくれてありがとう。」と言われたとき、
少しずつ寄り添うことが出来てきているような感じがするようになりました。
私は実際に、患者様と関わる時間も少なく、力になってあげることができないと思っていましたが、
話を聞いてあげることも大事なのだと実感しました。
最近では、患者様とのコミュニケーションをとることも多くなってきたので
これからも当院に貢献できるように、勉強し頑張っていきたいと思います。 

◇     ◇     ◇ 

私が体験した、「すぐそばに。ずっとともに」を感じることが出来た
出来事は、入職して半年経つ頃のことでした。
外来受診希望の患者様から私の所属している部署へお電話が入りました。
偶々、手のあいていた私が対応させて頂いたのですが、どうやら手術前に不安なので、
昔からかかられている特定の先生(医師)にご相談したいというお話でした。
私は、入職してやっと慣れてきたような時期だったので、病院としての
正しい対応は分かりませんが、一人の人として、患者様がどのようにどれ程不安なのか、
どのようにすることが一番うれしいのかなど、お話して下さる限りきくことが出来ました。
お帰りの際に、「よく話を聞いてくれて安心した」「また話したい」「ありがとう」という
お言葉をいただくことが出来、とても安心しましたし、うれしかった記憶です。
後日、直接いらっしゃって、私を指名してまたお話させて頂いたりもしました。
正しいご案内が出来なくとも、私に出来ることがあるということを実感した事でした。 

◇     ◇     ◇ 

私は業務のなかでは一人の患者様と何度もお会いしたり長い時間お話をさせていただくことはありません。
その中で体験した「すぐそばに。ずっとともに」は、整形外科の患者様の対応をしていた時でした。
その方は、以前は当院に通院していたが一時期整形が閉まってしまって困ったとおっしゃっていました。
閉鎖している間はバスやタクシーで他の病院に行かなければならず、
体も不自由でとても大変だったそうです。
今は当院ですぐに受診できて、何かあっても安心だとおっしゃっていらっしゃいました。
また、予約もできて、待ち時間が短くなっている事も、大変よろこんでいらっしゃいました。
そうした会話の中から「すぐそばに。ずっとともに。」とは、
患者様に寄り添い、患者様が希望すればいつでも同じ先生に診ていただけることなのではないかと感じました。
先生以外にも検査部門や看護のスタッフにも常に見知った顔がいることで、
より安心して継続的に受診して頂ける方が増えていけば良いと思いました。 

 

いかがでしたでしょうか?
掲載を快諾してくださった5名のスタッフの皆さん、ありがとうございました!
新入職の皆さんにとって良き刺激となりそれぞれの「すぐそばに。ずっとともに。」を
語っていただける日が来るのを楽しみにしております!
また、このような大切な経験をサポートしてくださった
ドクター方、先輩・上司のみなさんにも心より感謝いたします。
引き続き、スタッフ一同「すぐそばに。ずっとともに。」患者様に寄り添い、
歩んでいけるように努力してまいりましょう。